地域によって違う火葬のタイミング

火葬を葬式の後で行うのは、後火葬。前に行うのが前火葬です。

後火葬は、主に関東、関西、九州です。

前火葬は、東北地方と沖縄です。

後火葬も前火葬もどちらも行われる地域もあります。

前火葬を行う東北地方には北国ゆえの理由があります。

北国は冬は雪が深くなって葬式に出られない場合が多くなるそうです。そのため多くの人が参列できる春に改めて葬式を執り行うといいます。とうぜん、春になるまで遺体をそのままというわけにはいきません。なので、先に火葬にするのだそうです。

お葬式のときにはお骨で、ということでこれを「骨葬」と呼びます。

沖縄のような暑い地域では、遺体が痛みやすいという意味で「骨葬」になったようです。伝染病などの発生も心配ですから、衛生面での配慮もあったのかもしれません。

また、北海道の函館の前火葬なのですが、この始まりが洞爺丸沈没事故からだといいます。

昭和29年の事故です。大きな台風などが来るときに資料映像としてテレビで流れたりするのでご存知の方も多いかと思います。

青函連絡船の洞爺丸が台風によって転覆して1000人以上の死者が出ました。

水難事故の場合、遺体の傷みがかなりひどくなってしまいます。そのため火葬をしなければならなかったのですが、火葬場が足りず仮設の火葬場を作ったそうです。

また北海道では、北洋漁業の船員が多かったからという理由もあるそうです。

船員の親族が亡くなっても、彼らはすぐに陸地に戻るということができません。そのため火葬をして、船員の帰りを待って葬式をあげるということになったようです。

関東でも埼玉の秩父市の前火葬は事情が違うようです。

土葬から火葬へと変化していく中、自宅で通夜をして、葬儀・告別式は地域の小さな集会所などでやっていました。ところが集会所の規約で遺体を入れることができなかったために葬式の前に火葬にして骨葬にしたのが定着したそうです。